暑い季節に大活躍のハッカ油スプレー。
清涼感や虫よけ効果が人気ですが、作り方を調べると必ず出てくるのが「無水エタノール」という材料。
「無水エタノールはなぜ必要なの?」「水だけじゃダメなの?」と疑問に思ったことはありませんか?
ハッカ油スプレーに無水エタノールが欠かせない最大の理由は、ハッカ油が水と混ざりにくい「油のような性質」を持つためです。
この記事では、ハッカ油スプレーに無水エタノールが必要な理由を解説するとともに、代用品や正しい作り方、注意点などについて紹介します。
ハッカ油スプレーに無水エタノールが必要なのはなぜ?
ハッカ油スプレーに無水エタノールが必要なのは、ハッカ油が水に溶けない性質を持っているためです。
ハッカ油は水に溶けない「油のような性質」
ハッカ油は「ハッカソウ(薄荷草)」というミントの葉から抽出された天然のアロマ精油(エッセンシャルオイル)です。
このハッカ油は、脂溶性(親油性)という、水にはほとんど溶けず、油にはよくなじむ性質を持っています。
そのため、水と混ぜようとしてもきれいに混ざらず、油のように分離してしまうのです。
そのため、無水エタノールを使用せず、水とハッカ油だけでスプレーを作ると、次のような問題が起こりやすくなります。
- 使うたびにハッカ油成分と水が分離してしまう
- 香りにムラができて効果が安定しない
- 肌に直接触れると刺激を感じやすい
無水エタノールの3つの役割
無水エタノールは、水分をほとんど含まない純度の高いエタノールで、水にも油にもなじむ性質を持っています。
この特性により、ハッカ油スプレーを作るときに、次のような重要な役割を果たします。
- 乳化剤としての働き
成分が均一に混ざったスプレーを作ることができます - 保存性の向上
アルコールの力で雑菌の繁殖を防ぎ、スプレーの保存性が高まります - 香りの安定化
香り方にムラが出にくく、使うたびに安定した効果が得られやすいです

無水エタノールは単なる「ハッカ油を薄める液体」ではないんだね。



そうなの!
ハッカ油スプレーを安全で効果的に使うためには、欠かせない存在なんだよ!
▼水道水で作るハッカ油スプレーの日持ちについて知りたい方はこちら


無水エタノールを使ったハッカ油スプレーの使用感は?
無水エタノールを使って作るハッカ油スプレーは、水だけで作った場合と比べて、使い心地や効果に次のような違いがあります。
- ベタつきにくく、スプレーしやすい
スプレーの詰まりやムラが起きにくく、肌に均一に広がります。 - 清涼感がアップ
アルコールが肌からスッと蒸発することで、メントールのひんやり感がより強く感じられます。
ただし、乾燥肌や敏感肌の方は、刺激を感じる場合があります。
はじめて使うときは、少量から試すのが安心です。
無水エタノールの代用でハッカ油スプレーは作れる?
無水エタノールが手元にない場合でも、代わりに使えるものがあります。
それぞれの代用品には特徴や注意点があるので、目的に合わせて選びましょう。
代用1.消毒用エタノール
ハッカ油スプレーを手軽に作りたい場合におすすめです。
ただし、消毒用エタノール特有の消毒臭が残るため、虫除けスプレーなど香りを気にしない用途に向いています。
- アルコール濃度:約70〜80%
- メリット
- ドラッグストアやネットショップなどで購入しやすい
- 日常使いには十分な効果
- 注意点
- 水分を含むため、使用前によく振る必要あり
- 消毒臭さが残るため、香りを楽しみたい時は不向き
無水エタノールと消毒用エタノールで迷ったときは、「無水エタノール」がおすすめです。
無水エタノールに水を加えると自分で消毒用エタノールを作ることもできますし、ハッカ油の香りをしっかり楽しめて、分離もしにくくなります。
消毒用に使うためだけなら、最初から最適な濃度に薄めてある消毒用エタノールがとても便利です。しかし、それ以外の用途も考えているのなら、無水エタノールを選ぶのもアリかもしれません。というのも、無水エタノールを1本手元に用意しておけば、必要に応じて精製水で薄めてすぐに消毒用エタノールも作れるからです。
(引用元:健栄製薬「無水エタノールと消毒用エタノール、どこが違うの?」)
代用2.ウォッカ
食品グレードのアルコールのため、肌への安全性を重視したい方におすすめです。
ただし、アルコール濃度は消毒用エタノールより低めなので、保存性や乳化効果はやや劣る場合があります。
- アルコール濃度:約40%~
- メリット
- 食品グレードで安心して使える
- 無臭タイプなら香りに影響しにくい
- 注意点
- 水分を含むため、使用前によく振る必要あり
- 価格がやや高め
- 保存性が劣る場合もある(アルコール濃度による)
代用3. 精油用乳化剤(ポリソルベート20など)
精油を水に均一に混ぜるために開発されたアロマクラフト専用の添加剤です。
アルコールを使いたくない方や敏感肌の方、お子さんにも使いたい場合におすすめです。
- アルコール濃度:0%(不使用)
- メリット
- 精油がきれいに水と混ざる
- 肌への刺激が少なく、やさしい使い心地
- 注意点
- 専門店や通販での購入が必要
- 一般的なアルコールより価格が高め
- 容器により、ノズルが詰まりやすいことも
▼無水エタノールも代用品も使わず、水だけで作るハッカ油スプレーの作り方について知りたい方はこちら


使用目的別・おすすめ代用品まとめ
代用品を選ぶ際は、スプレーの用途に合ったものを使うのがおすすめです。
使用目的 | おすすめの代用品 |
---|---|
虫よけスプレー | 消毒用エタノール |
ルームスプレー | ウォッカ(無香) |
肌につける用 | 精油用乳化剤(ポリソルベート20など) |
香り重視のクラフト | 無水エタノール(推奨)・ウォッカ(無香) |



上の表を参考に、いろいろ試してみるのも楽しいですよ。
使い心地や香りの違いを比べて、お気に入りを見つけてみてくださいね。
無水エタノールを使ったハッカ油スプレーの作り方
無水エタノールを使うと、ハッカ油が水にきれいに溶け、香りや清涼感が安定する効果的なスプレーが作れます。
基本のレシピと、用途に応じた濃度調整についてご紹介します。
用意するもの(50mlスプレーボトル1本分)
材料 | 目安量 | 備考 |
---|---|---|
ハッカ油 | 5〜30滴(0.5〜3%) | 敏感肌の方は5滴以下 |
無水エタノール | 5ml | 代用品でも可 |
水 | 45ml | 精製水、水道水、ミネラルウォーターなど |
スプレーボトル | 1本(50ml) | ガラス製またはPET製推奨 |
ビーカー (軽量カップ) |
用途別:濃度と滴数の目安(50ml)
用途 | 濃度 | 滴数(50mlスプレーの場合) |
---|---|---|
敏感肌・子ども・初心者向け | 0.5% | 5滴 |
衣類スプレー・空間の芳香に | 1% | 10滴 |
虫除け・香りを強くしたい ※肌使用は不可 | 2~3% | 20~30滴 |
ハッカ油スプレーの作り方
消毒済みの容器に、無水エタノール5ml入れる。
滴数は用途に合わせて。
ハッカ油はボトルを振らずに、自然と落ちるのを待ちましょう。
スプレーボトルのフタを閉め、よく振って混ぜます。
精製水または水道水などを45ml加えます。
フタを閉めてしっかり振ったらスプレー完成!
使用時は毎回よく振ってから使ってください。
ラベルやマスキングテープに「作成日」を書いて保管しましょう。
保存期間は1週間程度が目安です。
使用上の注意点
手作りスプレーを安全に楽しむために、知っておきたいポイントをまとめました。
保管について
- 1〜2週間以内に使い切ること
- 直射日光・高温多湿を避け、冷暗所で保管
安全な使用のために
- 使用前に毎回よく振って混ぜてから使用
- 濁りや異臭があったらすぐ使用中止
- 肌に使う場合は1%以下が基本
- 3歳未満の乳幼児には使用しない
- 火の近くでは絶対に使用しない(引火性のため)
- 使用前にパッチテストを行い、異常があれば使用を中止する
▼水だけでハッカ油スプレーを作る方法と注意点については以下の記事をご覧ください。


まとめ
ハッカ油スプレーは、無水エタノールを加えることで香りが安定し、分離しにくくなり、使い心地もぐっと良くなります。
毎日気持ちよく使えるアイテムとして、暑い季節や虫よけ対策にぴったりです。
ここで、この記事のポイントをもう一度整理しておきましょう。
- ハッカ油は水に溶けないため、無水エタノールが必要
- 無水エタノールには「乳化」「保存」「香り安定」の役割がある
- 代用品として「消毒用エタノール・ウォッカ・精油用乳化剤」などが使える
- 正しい作り方と濃度の調整で、安全&快適に使えるスプレーが作れる
- 水だけでも作れるが、分離や保存の面で注意が必要。無水エタノール使用が安心。
無水エタノールが手に入らないときも、代用品や水だけの方法で工夫することは可能です。
ぜひご自身の目的に合った作り方で、快適なハッカ油ライフを楽しんでくださいね。
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