世界で一番古い薬局 サンタマリアノッヴェラ薬局で出会う「癒し」の原点【訪問レポ】

私はアロマやハーブが大好きで、旅先ではつい薬局をのぞいてしまいます。

棚に並ぶアイテムを見ていると、その土地の人々がどんな植物に親しみ、どんな香りを大切にしてきたのかが見えてくるから。

そんな私がフィレンツェでどうしても訪れたかったのが、世界最古ともいわれる「サンタ・マリア・ノッヴェラ薬局」

この記事では、私が現地で体感した「香りと歴史に包まれる時間」をご紹介します。

目次

世界最古の薬局 サンタ・マリア・ノッヴェラ薬局

サンタ・マリア・ノッヴェラ駅から徒歩5分。

控えめな入り口に気づかず通り過ぎてしまいそうになりますが、一歩足を踏み入れると、ふわりとやさしいハーブの香りに包まれ、まるで別世界へと誘われたような感覚に。

そこは「薬局」という言葉から想像する空間とはまったく違い、まるで香りの博物館

高い天井、歴史を感じる木のカウンター、クラシカルな装飾が施されたインテリア……そのすべてが美しく、思わずため息がこぼれました。

とくに私が見入ったのは、展示されていた古いビーカーやガラス瓶、薬草の調合に使われていた道具たち

中にはレオナルド・ダ・ヴィンチ考案の蒸留瓶もあり、目が離せなくなりました。

修道士たちの手から生まれた「癒し」の香り

サンタ・マリア・ノッヴェラ薬局のはじまりは、13世紀

サンタ・マリア・ノッヴェラ教会に隣接する修道院では、修道士たちが教会の中庭で薬草(ハーブ)を育て、香油や軟膏を作っていました。

それは「病に苦しむ人々を癒したい」という祈りから生まれたものでした。

その評判はやがて修道院の外にも広まり、1612年には正式に薬局としての営業許可が与えられます

これが、「世界最古の薬局」の誕生とされています。

受け継がれる伝統と香りのレシピ

この薬局の魅力は、数百年前の製法やレシピが今もなお守られていることです。

中でも有名なのが、「王妃の水(アックア・デッラ・レジーナ)」
これは、フランス王妃カテリーナ・ディ・メディチのために作られた香水で、今も同じ香りを楽しめます。

そこに込められているのは、香りへの愛と、時代を超えて受け継がれてきた修道士の知恵。

ただの「香り」ではなく、「魂に届く香り」を感じさせてくれます。

香りに包まれて過ごすサンタ・マリア・ノッヴェラ薬局での買い物

画像出展:サンタマリアノッヴェラ公式サイト

日本でも人気のアイテムが並ぶこの薬局ですが、本店での買い物体験はちょっと特別。

美しいインテリアのなか、静かな空気と香りに包まれて、ゆったりと過ごすひととき。

ポプリ、キャンドル、香水、ハンドクリーム、そして有名なローズウォーター…

どれも魅力的で、パッケージもとってもおしゃれ

飾っておくだけでもうれしくなりそうです。

ユニークなのは購入スタイル。

各部屋にいるスタッフに欲しい商品を伝えるとカードに記録され、それを持ってレジに行くと現品が用意されるというシステム

香りをじっくり試せるので、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。

スタッフの接客も丁寧で、質問すれば商品について詳しく教えてくれます。

私が訪れたときは日本人スタッフには出会えませんでしたが、スタッフの接客は丁寧で、質問にも親切に答えてくれました

ちなみに私の今回の旅はバックパックひとつで巡るスタイル。

フィレンツェは旅の前半だったこともあり、パッケージがつぶれるのが心配で泣く泣く購入は見送りに。

でも……「欲しいもの、ありすぎた!」というのが本音です。

アロマ好きにこそ訪れてほしい サンタ・マリア・ノッヴェラ薬局

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局では、歴史的な道具や瓶が飾られ、当時の雰囲気を感じることができます。

私が古い調合器具を眺めながら感じたのは、香りは祈りの一部だったのかもしれないということ。

中世の修道士たちが、静かにハーブを調合し、心を込めて癒しを生み出していた姿が、この空間には今も根付いている気がしました。

薬局の奥から見えるサンタ・マリア・ノッヴェラ教会の庭園にも、なんともいえない静かなエネルギーが流れていて、ふんわりと漂う香りとやさしい空気に、心がふっとほどけていくようでした。

この場所を訪れて、改めて感じました。

私たちが今、楽しんでいるアロマセラピーやハーブセラピーには、はるか昔からの祈りと知恵が込められているのだと。

香りは、単なる癒しではなく、ときに「祈り」そのもの

サンタ・マリア・ノッヴェラ薬局の香りには、やさしさとともに、芯のある強さがありました。

ここは香りを「感じる」だけでなく、「受け取り、学ぶ」ことができる場所。

アロマが好きな方には、きっと心に響く何かがあると思います。

サンタ・マリア・ノッヴェラ薬局の基本情報

薬局と言っても、値段はデパコス並み!

ですが、この場所に足を踏み入れるだけで、香りや歴史の重みを感じることができ、その価値を実感できます。

薬局内を見るだけでも心が癒されるので、フィレンツェに行く機会があれば、ぜひ足を運んでみてください。

CHIKA

入口には目立った看板がなく、私は一度通り過ぎてしまいました。
訪れる際は、地図を見ながらゆっくり探してみてくださいね。

項目詳細
店名Officina Profumo-Farmaceutica di Santa Maria Novella
住所Via della Scala, 16, 50123 Firenze FI, Italia
電話番号+39 055 216276
公式HPサンタマリアノッヴェラ薬局公式サイト
営業時間10:00〜19:00
日曜日:11:00~18:00
定休日基本無休

サンタ・マリア・ノッヴェラ薬局は、ただの薬局ではありません。

それは、何百年もの祈りと癒しの歴史が根付く、香りと歴史に包まれた聖なる空間

アロマが好きな方はもちろん、歴史や文化に興味がある方にも、ぜひ一度訪れてみてほしい場所です。

その香りに、心がふっとやわらぐ、特別な時間になること間違いなしです!

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