サン・ピエトロ大聖堂を後にして、システィーナ礼拝堂に行ってきました。
「システィーナ礼拝堂」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
ミケランジェロの天井画? 映画『天使と悪魔』のシーン? または「コンクラーベ」という儀式でしょうか?
私がこの場所を知ったのは映画の原作となった本『天使と悪魔』がきっかけでした。
現在、教皇の逝去を受け、5月上旬には新しい教皇を選ぶ「コンクラーベ」が開かれる予定です。
歴史が動くこのタイミングで、システィーナ礼拝堂を訪れていたことに特別な意味があるように感じました。
今回は、システィーナ礼拝堂についてご紹介します。
システィーナ礼拝堂とは?名前の由来と見どころ
システィーナ礼拝堂は、ローマ・バチカン市国にあるバチカン美術館に隣接しています。
この礼拝堂は、元々あった古いマッジョーレ礼拝堂を、教皇シスト4世(Papa Sisto IV della Rovere)の指示で、1473年から1481年の間に改築されたものです。
システィーナ礼拝堂の名称は、教皇シスト4世にちなんで名付けられました。

この礼拝堂の見どころは、何と言ってもミケランジェロの2作品です。
天井には『天地創造』、祭壇正面には『最後の審判』が描かれており、その迫力は写真や映像では伝えきれません。
また、左右の壁面には、ボッティチェッリ、ペルジーノ、ギルランダイオなど、イタリア・ルネサンス期を代表する画家たちによる12枚の壁画が並んでいます。
神聖な儀式「コンクラーベ」の舞台
システィーナ礼拝堂が世界的に有名なのは、もうひとつ理由があります。
それは、新しいローマ教皇を選ぶ「コンクラーベ」という神聖な儀式が行われる場所であることです。
「コンクラーベ」という言葉は、ラテン語で「鍵をかける」という意味があり、枢機卿と呼ばれる高位の聖職者たちが、外界から隔絶された空間で集まり、何日もかけて新しい教皇を選びます。
選出が決まると、礼拝堂の煙突から白い煙があがり、全世界にその結果が伝わるのです。

SNSでは「コンクラーベ=根比べ」といった投稿をよく見かけますが、確かにその言葉がぴったりと思うことも…。
実際には、命がけの議論と祈りの場であることを考えると、その重みが感じられます。
映画『天使と悪魔』で気になった方にも
映画『天使と悪魔』を観て、システィーナ礼拝堂に興味を持った方も多いのではないでしょうか。
物語の中でも、コンクラーベの舞台として緊張感あふれる重要なシーンで登場します。
実際に現地に立つと、映画で感じたあの神秘的で厳かな雰囲気が一気によみがえり、思わず背筋が伸びるような感覚になりました。
ちなみに、現在上映中の映画『教皇選挙』も、コンクラーベの舞台裏に迫る作品として注目されています。
映画をきっかけにこの場所を訪れるのも、心に残る体験になるはずです。
パワースポットとしての魅力:私の体験レポ
バチカン美術館をゆっくり巡りながら、いよいよシスティーナ礼拝堂へ。

正直に言うと、中は想像以上にギューギューでした!
多くの観光客でいっぱいで、館内スタッフが何度も「静かにしてください!」と注意していたのが印象的でした。
それでも私は運よく、部屋の隅にあるベンチに座ることができて、オーディオガイドを聞きながら、ゆっくりと鑑賞することができました。


見上げると、天井一面に広がる「天地創造」。
なかでも、目を奪われたのは有名な「アダムの創造」です。
神の指とアダムの指が、触れそうで触れない、あの緊張感のある構図に、生命が宿る瞬間を目撃したような感じになりました。


そして祭壇正面に描かれた「最後の審判」には、ただただ圧倒されました。
その場に立つだけで、何百年もの祈りと決断が積み重ねられてきた重みが、肌で感じられるのです。
ここはまさに、魂のチューニングスポット。
ミケランジェロやボッティチェッリの人柄に思いを馳せながら、「私もこの歴史の流れの中にいるんだ。彼らと繋がっているんだ!」と、不思議な一体感を感ました。


見学の最後には、映画にも登場した美しい螺旋階段をぐるぐると下っていきます。
まるで聖域から少しずつ日常へ戻るような、不思議な余韻が残りました。
システィーナ礼拝堂 入場料金・チケットの買い方
システィーナ礼拝堂は、バチカン美術館の見学ルートの終盤にあります。
とても人気のあるスポットなので、混雑は避けられません。
オンラインでの事前予約(公式サイト)は「おすすめ」というより、むしろ「必須」です!
チケットの種類と料金(2025年4月時点)
購入方法 | 料金(税込) |
---|---|
当日券 | 20€ |
事前予約 | 25€(WEB手数料 5€含) |
私は事前に予約していたので、予約時間にあわせて到着し、スムーズに入館することができました。
でも、当日券を買おうとしている人たちの列を見てびっくり!
「いつになったら入れるのだろう?」と思うくらいの長さで、時間がもったいないなと感じました。
限られた時間で旅を楽しみたい方こそ、事前予約がおすすめです。
待ち時間をカットできる分、心ゆくまで美術館の魅力を味わうことができますよ。



私はそのおかげで、サンピエトロ大聖堂に朝一番ではありますが、予約なしで入ることができました!
システィーナ礼拝堂の基本情報
システィーナ礼拝堂(Cappella Sistina)は、バチカン市国にあるバチカン美術館の中に位置しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
名称 | システィーナ礼拝堂(Città del Vaticano) |
住所 | Viale Vaticano,100 Roma,Italy / バチカン美術館内 |
電話番号 | +39 06 6988 4676 |
公式HP | バチカン美術館公式サイト |
開館時間 | ・8:00~20:00 (最終入場時間 : 18:00) ・毎月最終日曜は無料開放(午前中のみ) |
休館日 | 日曜・祝日 |
システィーナ礼拝堂は、芸術と歴史、そして祈りが響き合う場所。
ひとときの静けさと神聖な空気に包まれる、まさにパワースポットです。
今、コンクラーベが行われるタイミングということもあり、世界中の視線がこの礼拝堂に集まっています。
新たな歴史の幕開けを迎えるこの場所へ、機会があれば、ぜひ訪れてみてくださいね。


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