ラベンダー精油の作り方や、アロマ精油(エッセンシャルオイル)を抽出する方法について気になったことはありませんか?
埼玉県飯能市にあった「生活の木 薬草香園」では、さまざまな精油を水蒸気蒸留法で抽出する体験ができ、私も実際に参加してきました。
この記事では、私が参加した「ラベンダー精油の水蒸気蒸留体験」の様子をお届けしながら、ラベンダー精油の作り方、ラベンダーアロマ精油とラベンダーウォーター(芳香蒸留水)の使い方、ドライとフレッシュの違いなどについてご紹介します。
※残念ながら、生活の木 薬草香園は2024年9月に閉園しましたが、精油作りのワークショップは他の施設でも開催されています。
ラベンダー精油の作り方|水蒸気蒸留法とは?
ラベンダー精油は、一般的に「水蒸気蒸留法(すいじょうきじょうりゅうほう)」という方法で作られます。
名前だけ聞くとむずかしそうですが、実はとてもシンプルなしくみです。
イメージしやすいように、焼売を蒸すことに例えてみます。
蒸し料理でイメージする「水蒸気蒸留法」
1. 鍋にお湯を沸かす
蒸し器に焼売を乗せ、お湯から立ちのぼる蒸気で加熱します。
2. 蒸気がしゅうまいを通る
焼売に蒸気があたると、肉や香辛料の香りがふわっと立ちのぼります。
3. 蒸気が香り成分を運ぶ
香りや油分を含んだ蒸気が上昇し、やがて冷えて水滴になります。
4. 鍋の中に油が浮く
蒸し終えた鍋の水の表面に、うっすら油が浮いていることがあります。
これは、焼売から出た蒸気が冷え、水に浮かんだものです。

このしくみ、実はラベンダー精油の作り方とそっくりなんですよ。
ラベンダー精油ができるまでの4ステップ
- ラベンダーをセット
蒸留釜にラベンダーなどの植物を入れ、下から水を温めて蒸気を発生させる。 - 蒸気で香りを引き出す
発生した蒸気がラベンダーを通り抜けることで、香り成分(精油)が蒸気にのる。 - 蒸気を冷やして水に戻す
香り成分を含んだ蒸気を冷却装置で冷やすと、再び液体に戻る。 - 精油と芳香蒸留水に分かれる
液体は自然に2層に分かれる。
上に浮かぶのがラベンダー精油、下が芳香蒸留水(フローラルウォーター)。



水蒸気蒸留法とは、香りを湯気のチカラで取り出し、水と油に分けて取り出す方法なんですね。
ラベンダー精油の抽出方法を体験!生活の木 薬草香園にて
今回体験したのは、モロッコ産のドライラベンダー(花のみ)3kgを使った水蒸気蒸留法でした。
ちなみに、お店で見かけるエッセンシャルオイル(精油)は、一般的に収穫したてのフレッシュなラベンダーの花から抽出されています。


蒸留に使う機械を見た瞬間、まるで理科の実験が始まるようなワクワク感に包まれます!
まずは、釜に入れる前のラベンダーの香りをチェック。
ドライになっていても、ふわっと広がるラベンダーの香りは、思わず深呼吸したくなるような、やさしく落ち着いた香りでした。


ラベンダーを蒸留釜にしっかり詰め、蓋をロック。
いよいよ、蒸気の注入スタートです!
10分ほど経つと、部屋いっぱいにツーンとした濃厚なラベンダーの香りが立ちこめてきました。「くさっ!」と思わず声が上がるほどのインパクト(笑)。
時間が経つにつれて、頭がぽーっとしてきて、身体の力がふっと抜けていくような感覚に。まさにラベンダーのリラックス効果を体で感じる瞬間でした。


さらにしばらく待つと、蒸気が冷却されて水に戻り、ゆっくりとビーカーに流れてきます。触れてみると、液体はサラッとしていて無色透明。
最初は水と精油が混ざった状態ですが、時間が経つにつれて自然に2層に分かれていきます。


コックをひねると、ビーカーの中へ精油が勢いよく流れ込んできました。その光景に、見学していた全員が思わず「おぉー!」と声を上げました。
ドライハーブからでも、約50mlのラベンダー精油と、約6Lの芳香蒸留水(目測)ができあがりました!「こんなに取れるんだ!」と感動しました。


体験では、作ったラベンダー精油と芳香蒸留水を使って、ラベンダー化粧水とクリームを作りました。
化粧水は、芳香蒸留水をベースにして、アロマ精油を加えて、自分好みの香りに仕上げます。クリームも同様に、ラベンダー精油と保湿成分をしっかり混ぜ合わせて、オリジナルのスキンケアアイテムが完成!
自分の手で作ったアロマ精油を使うなんて、なかなかできない貴重な体験ですよね。
精油作りの過程がしっかり伝わる体験でした。



「植物の力を引き出す」体験としては、伊豆大島での椿油しぼり体験も、とても面白かったですよ!
ラベンダー精油の使い方|スキンケア・快眠・バスソルトに大活躍
体験で作成したラベンダー精油と芳香蒸留水は、自宅でも大活躍しました。
ここでは、実際に私が試してみた使い方をご紹介します。


芳香蒸留水(ラベンダーウォーター)の使い方
- 化粧水として
洗顔後に、ラベンダーウォーターをスプレーでひと吹き。
肌にやさしくなじんで、しっとりと落ち着きます。 - 日焼けケア
ほてった肌を、ラベンダーウォーターでやさしく冷やします。
ひんやりして、気持ちよくケアできました。 - リネンウォーター
枕カバーやシーツにスプレーして、リラックスした眠りへ。
ラベンダーのやさしい香りで、ぐっすり快眠サポートしてくれます。
ラベンダーウォーターは精油よりもマイルドな香りなので、お子さんや敏感肌の方も使いやすいです。
ラベンダー精油の使い方
- 手作りスキンケアに
無香料の乳液に、ラベンダー精油を1滴加えるだけで、自分だけの香るスキンケアが完成!
ほんのりラベンダーの香りが広がって、リラックスできます。 - バスソルト作りに
天然塩とラベンダー精油を混ぜて、自分だけのバスソルトを作りました。
お風呂でリラックスしながら、心も体も癒される時間に。 - 枕元に1滴で快眠サポート
コットンにラベンダー精油を1滴垂らし、枕元に置くと、あっという間にリラックスした眠りへ導いてくれます。
ドライラベンダーからでも精油を作れる理由と香りの違い


フレッシュなラベンダーではなく、ドライハーブを使用しても精油はちゃんと抽出できます。
ただし、精油の量や香りのニュアンスは生花とは少し異なります。
ドライハーブからも精油が取れる理由
ドライラベンダーでも精油を含んだ香り袋(油胞)が残っているため、蒸気で香りを引き出すことができます。
フレッシュとの違い
フレッシュラベンダーは、よりみずみずしく、爽やかな香りが特徴。
ドライラベンダーは、少し濃厚で深みのある香りとなり、草っぽさや土っぽさ、スモーキーさも感じられます。
どちらが良い・悪いということではなく、原料の状態によって香りが変わるというのも、精油の世界の面白さだなと感じました。
まとめ
今回のラベンダー精油の蒸留体験は、香りを「買う」のではなく「生まれる瞬間を感じる」ことができる貴重な機会でした。
この記事では以下の内容をご紹介しました。
- ラベンダー精油の作り方
水蒸気蒸留法を使って、植物から香り成分を抽出。
蒸気が香りを引き出し、冷やすと精油と芳香蒸留水に分かれます。 - 体験と使用法
ドライラベンダーから精油を抽出し、約50mlの精油と6Lの芳香蒸留水を得ることができました。
芳香蒸留水は化粧水や日焼けケア、リネンウォーターに、精油はスキンケアやバスソルトに活用できます。 - ドライとフレッシュの違い
ドライハーブでも精油は抽出可能で、香りはフレッシュよりスモーキーで深みがあります。
薬草香園は残念ながら閉園してしまいましたが、全国にはアロマ体験ができる施設やワークショップがたくさんあります。
アロマの世界に興味がある方は、ぜひ一度実際に体験してみてはいかがでしょうか?
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