伊豆大島で椿油しぼりを体験!椿油の作り方・絞り方・使い方を学ぶ

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髪や肌にやさしい植物油(キャリアオイル)として人気の椿油ですが、実はその製法を体験できる場所があります。

それが、東京都・伊豆大島にある「大島ふるさと体験館」

「大島ふるさと体験館」では、杵(きね)と臼(うす)を使って、昔ながらの方法で椿油をしぼる体験ができます。

今回は、「椿油しぼり体験」を通して、椿油の作り方や絞り方、そして搾りたての油の使い方をご紹介します。

目次

伊豆大島で椿油しぼり体験

伊豆大島で椿油をしぼる体験は、ただオイルを作るだけでなく、昔ながらの手作業を通して、歴史や文化にも触れることができます。

実際、体験前に工程を伺ったとき、「えっ!?これ全部手作業なの?」と思うほどの重労働に驚かされました。

でも、かつては女性たちが家庭で担っていた日常の作業だったそうです。

スタッフの方いわく、「男性は漁などの外仕事が多かったので、椿油づくりは女性の役目だったんですよ」とのこと。

そんなお話からも、自然とともに生きていた昔の暮らしぶりが伝わってきます。

では実際に、どんな手順で椿油が作られていくのか、体験の流れをご紹介します!

STEP
椿の実を準備する

体験に使うのは、伊豆大島で収穫されたヤブツバキの実。
9月〜10月にかけて手摘みされ、乾燥・選別されたものが用意されています。

STEP
杵と臼でつぶす

まずは、椿の実を臼に入れて、杵でトントンと叩いて殻を割ります。
中から黒くツヤのある「椿の種」が出てくるのですが、それが「椿油」の素です。

とはいえ、これがなかなかの重労働で……私は早々に脱落(笑)。

STEP
木製の自動搗き機でさらに粉砕

ある程度つぶしたら、次は「木製の自動搗き(つき)機」へ。

杵の上下運動で実を細かく砕いていくこの機械、見た目もかわいくてレトロ!
作業中、だんだんと甘く香ばしいナッツのような香りが立ちのぼり、どこか懐かしい気持ちに包まれます。

STEP
ふるいにかけて粒の大きさを整える

粉砕した椿の実は、ふるいにかけて粒の大きさを均一にします。大きい破片はもう一度搗きなおして、なるべく細かく整えていきます。

こうした地道な工程からも、「植物の命をいただく」という感謝の気持ちが自然とわいてきます。
ひと瓶の椿油のために、どれだけの手間と愛情がかかっているのか、体感として学べる時間です。

STEP
蒸して柔らかくする

ふるいにかけた椿の実を、せいろで5分ほど蒸します。
ふっくらと柔らかくなり、油を搾るのにちょうどよい状態に

蒸しあがったときに広がる、アーモンドのような香りも印象的でした。

STEP
圧搾機で油をしぼる!

いよいよクライマックス。
蒸した椿の実を布でくるみ、金属製の手動プレス機にセット。
ハンドルをゆっくり回していくと……

じわじわと、琥珀色の椿油がしぼり出されてきました!

椿の実の重さに対して、約20%ほどが油になるとのこと(蒸気で水が含まれているため目減りあり)。

STEP
水分を飛ばして完成!

最後に、搾った椿油を比べてみると、

  • 右:搾りたての椿油
  • 左:水分を飛ばした椿油

水分を飛ばすことで、オイルに透明感が増し、より美しい琥珀色の椿油が完成しました。

体験はここまでですが、実際に商品として売られるにはこのあと「精製」作業(不純物を取り除く・脱色・脱臭)が行われるそうです。

CHIKA

「たったひと瓶のオイルに、こんなにも手間と時間がかかっているんだな」と、実感するひとときでした。

「植物の力を引き出す」体験としては、生活の木薬草香園でのラベンダー精油の蒸留体験も、とても面白かったですよ!

絞った椿油、さっそく使ってみた

椿油しぼり体験のあとは、なんとその場で椿油を使った暮らしの知恵を体験しました。

行灯や蝋燭の燃料として

本当に火がつくのかな?と半信半疑でしたが、実際に和紙の芯に火を灯すと、予想以上に大きな炎が上がってびっくり!

思わず「おおっ」と声が出てしまうほどで、昔の人々がこうして椿油の灯りを生活に使っていたんだなと思い、感動しました。

食用油として

もうひとつの体験は、伊豆大島名物「明日葉(あしたば)」を炒めて味わうこと。

しぼりたての椿油を使って炒めると、苦味が和らいで、ふんわり香ばしく、オリーブオイルともごま油とも違う、やさしいコクが引き立ちます。

「椿油って料理にも合うんだ!」という新たな発見でした。

CHIKA

私がアロマセラピーを学んだとき、椿油のことは「カメリアオイル」という植物油(キャリアオイル)として知りました。
でも、こうして灯りや料理にも使われていたなんて、本当に目から鱗でした。
同じ素材でも、使い方や背景を知ることで見え方が変わるんだなと実感しました。また、ひとつのものをいろんな角度から学ぶって大切だなと、あらためて思いました。

大島ふるさと体験館の詳細情報

大島ふるさと体験館では、椿油しぼり体験のほか、椿や明日葉で草木染め体験郷土芸能御神火太鼓体験の文化体験もできます。

項目詳細
施設名大島ふるさと体験館
所在地東京都大島町元町字北の山125-4
営業時間10:00~16:30 / 不定休
体験料3,300円/1名 (令和7年6月から)
所要時間約90分
対象年齢小学生以上
体験人数2名より受付可
予約制事前予約が必要です
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